ぽんにちは、ぽんはんは!西原さつきです✨
9月15日(祝月)新宿44ファンタジーホールで リーディング舞台劇『楽屋』 を上演します。
今回は、ぜひたくさんの方に観に来ていただきたい舞台です。

トランスジェンダーと演劇の今
わたしがかつて“女優になりたい”と思ったのは、きっと特別な理由なんてなくて、ただ「お芝居って楽しそう」「こんなふうに表現してみたい」っていう純粋な憧れからでした。
でも、現実の世界は思ったよりずっと厳しくて。
いろんなドラマや映画にお仕事で関わる中で、心が折れそうになる場面がたくさんありました。

その理由のひとつは、トランスジェンダーの女優には、なかなか役が回ってこないこと。もし役があったとしてもそれは“トランス女性”という設定が付いた役柄ばかりで、当たり前の日常の中で“ただの女性”としてキャスティングされることは、まだまだ少ないのが現状です。
でも私は、ただ「特別な存在」だから選ばれるのではなくて“当たり前に物語の中にいる存在”になりたいし、そんな景色が広がる未来を見たいと思っています。だからこそスタジオの運営を続けていますし、今回の朗読劇もその延長線上にあります。

仲間と一緒に挑戦しながら、“自分たちの手で舞台を作る”ということが、きっと少しずつ、その未来に繋がっていくんじゃないかって。今回の『楽屋』は、そんな想いがぎゅっと詰まった舞台です。
…と、なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、実際にはもっとシンプルで、“観に来てくれる皆さんと一緒に楽しみたい”っていう気持ちが一番なんです。
交流会もあります!
普段あまり舞台を観ない方でも、気軽に参加できるように、今回は終演後に交流会を用意しました「舞台ってちょっとハードル高いな…」「何を楽しめばいいのかわからない」そんなふうに感じている方も、きっと多いんじゃないかなって思うんです。
でも、今回のイベントは“観るだけ”で終わらせずに、終わったあとに感想を話したり「このシーンが面白かった」って言い合ったり、舞台で演じたキャストとも、ゆっくりおしゃべりできる時間を作ります。

わたし自身、初めて舞台を観に行った時「終わったあとにそのまま帰るの、ちょっと寂しいな」って思ったことがあって。だからこそ、今回は“最後まで一緒に楽しめる場所”にしたいんです。お芝居に詳しくなくても、「なんとなく面白そう」で来てもらえたら、それで大歓迎です。
この舞台が、あなたにとって“ふらっと遊びに行ける場所”になったらいいなと思っています。
稽古を受けているみんなの様子
実は、今回一緒に舞台に立つ仲間たちの中には演劇や舞台の経験がほとんどない子もいます。

演出家の先生が初めて稽古場に来た日は、みんな緊張でガチガチ「先生、怖い人だったらどうしよう…」なんて、ビクビクしてたんです(笑)
でも、先生はすごく真摯にひとりひとりと向き合ってくれて。そのおかげで、少しずつ「一緒に作品を作る」っていう実感が持てるようになりました。

LIEちゃんは普段はイラストレーターやデザイナーとして活躍している子で「まさか自分が人前で芝居する人生なんて考えたことなかった(笑)」って言いながらも、ひとつひとつのセリフに丁寧に向き合っていて、本当にかっこいいです。

梛野すずちゃんは役者としても活動していて、なおかつボイストレーナーでもあります。
「この作品に登場する全部の役を演じてみたい!」と言うくらい、とにかく意欲的。どこまでも真っ直ぐな姿に、私もすごく刺激を受けています。

花守奈子さんはボイストレーナーで、落ち着いた優しい声が魅力的な方。今回の舞台では時代劇っぽい台詞回しが出てくるので、日々練習を重ねています。本人も時代劇が大好きなので「楽しい!」と笑顔で取り組んでくれていて、すごく頼もしい存在です。
そんなメンバーと一緒に、笑ったり悩んだりしながら、稽古を積み重ねてきました。ぜひ、この挑戦の先にある“私たちの今”を観に来てください。
『楽屋』ってどんな作品?
『楽屋』は、舞台に立つ女優たちの“表”と“裏”を描いた演劇作品です。舞台演劇界の巨匠、清水邦夫先生が書かれていて、岸田戯曲賞を受賞しています。


舞台は、とある劇場の「楽屋」。
そこに集まるのは、かつて舞台で輝いていた“幽霊の女優たち”と、今まさに主役として舞台に立とうとしている“今を生きる女優たち”。作品の中で「演じる」という行為にすがり続けるかつての女優たちで今は幽霊となった2人の語りの中から、過去の自分たちが少し出演した舞台について語られます。彼女たちはもう自分たちが表舞台に立つことはないとわかっていても楽屋に集まり“演じること”への執着や未練を手放すことができません。
そこに主役女優が現れることで「演じるとは何か」「女であるとは何か」という問いが浮かび上がってきます。

物語の中で幽霊の女優たちは彼女に嫉妬し、叱咤し、励まし、やがて自分たちが舞台に戻ることが叶わない存在であることを受け入れていきます。最終的に、主演の女優は舞台へと上がり、幽霊女優たちはその姿を見送りながら“舞台に生き、舞台に消えていく者たち”の哀しさと美しさが浮かび上がる――
そんな、演劇という行為そのものに向き合う、ちょっと切なくて美しいお話です。
詳細

【日時】9月15日(月・祝)14:00〜18:00
【場所】新宿44ファンタジータワー5F
【原作】清水邦夫「楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~」(早川書房)
【演出】黒川逸朗
【出演】西原さつき / LIE / 梛野すず / 花守奈子
《当日のスケジュール》
13時40分 オープン
14時00分 開演
~休憩~
15時30分 トークイベント
16時00分 交流会
18時00分 クローズ
※当日の状況により変更になる場合がございます
ご予約はこちら→https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02600jx7z6j41.html
もしこの文章を読んで“ちょっと気になるな”って思ってもらえたならぜひ一度、遊びに来てみてください。

きっと素敵な時間にします!
会場でお待ちしています☺️